猫と一緒にガジェットライフ♪ムチャ(@mutoj_rdm821)です。
ここ1,2年でしょうか、Bluetooth対応のスピーカーが売れていて、製品も続々と出ているように思います。
Bluetooth自体の歴史は結構古くて、最初の仕様が発表されたのが1999年です。前年にWindows98やiMacが発売され、1999年はドコモのiモードがサービスインした年です。
自分は2001年にドコモのPHS端末「ブラウザホン633S」という、国内ではauのC413Sに次ぎ2代目のBluetooth搭載電話機を手に入れ、無駄にワイヤレス通信を楽しんでいたりしました。
Bluetoothオーディオもいくつかキーワードがあって、知らない人には全く分からないと思います。持てる知識を総動員して解説してみようと思います。
そもそもBluetoothとは
数メートル~数十メートル程度の距離の情報機器間で、無線を使って情報のやりとりを行うのに使う、無線通信の規格です。
周波数は無線LANでも使われる2.4GHz帯を使います。無線LANとの干渉についてはバージョンが上がる段階で対策が盛り込まれており、ほとんど気にならない程度になってると思います。
上に上げたデータ通信やオーディオ転送以外にも、マウスやキーボードとの接続や、ヘッドセット・ハンドセットを使った通話、PS3やWiiのコントローラとの接続にも使われています。
Bluetoothで出てくるキーワード
ペアリング
無線で通信するため、何も考えずに通信を許可してしまうとマズいので、通信を許可する前には「ペアリング」という操作を必要とします。
片方の機器を探索可能な状態にし、もう片方の機器で探索を行うと近くにある探索可能な機器が見つかるため、選択して接続を行います。このとき、PIN(パスコードのようなもの)を入力する場合もあります。ヘッドセットやマウスなど、入力が困難な機器の場合、0000や1234といった数値になっていることが多いです。
一旦ペアリングを完了すると、お互いが情報を記録するので、次回以降は電源を入れるだけで接続してくれます。
バージョン
今日のニュースで、4.1が発表されました。
Bluetooth 4.1発表、スマートフォンやIoTの利便性向上 - PC Watch
現在出ている機器では、2.0または2.1、3.0、4.0のいずれかです。また、+EDRや+HS、+LEといった文字が付くこともあります。それぞれは以下のような感じです。
- 2.0 : オプションで最大3Mbpsまで出せるEDR(Enhanced Data Rate)が追加されました(それまでは1Mbps以下)
- 2.1 : ペアリングが簡略され、NFCに対応(2007年で!)
- 3.0 : さらに高速なHS(High Speed、24Mbps)がオプションで追加されました。省電力性も向上。
- 4.0 : 大幅に省電力化され、ボタン電池1つでも数年駆動可能となりましたが、従来機器との互換性がありません。但し、ホスト側(PCやスマートフォン)では3.0や2.1も接続可能になっている場合が多く、そういった機器には「Bluetooth Smart Ready」というロゴが付いています。接続される側の機器は「Bluetooth Smart」というロゴになっています。以前はLE(Low Energy)という名称だったため、4.0+LEと表示されている製品もあります。
プロファイル
通信する機器の種類ごとに決められた仕様のようなもの。機器同士が通信したい場合は、両者が同じプロファイルを持っている必要があります。よくあるのは以下のようなものです。
- DUN(Dial-up Networking Profile):携帯端末を使ってダイヤルアップ接続をする
- HID(Human Interface Device Profile):マウスやキーボードなどの入力装置を繋ぐ
- OPP(Object Push Profile):名刺データの交換などを行う
- HSP(Headset Profile):マイクとヘッドフォンで双方向通話を行う
- HFP(Hands-Free Profile):HSPに加えて、通話の発信・着信機能を持つ
- PAN(Personal Area Network Profile):小規模ネットワークを実現する
- A2DP(Advanced Audio Distribution Profile):ステレオ音声、高音質な伝送を行う
- AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile):AV機器のリモコン(再生や停止など)を実現する
かつてはDUNでダイヤルアップするのがモバイラーのたしなみでしたが、最近はPANによるテザリングをサポートしているスマートフォンがあります。国内のAndroid端末は何故か無効にされていることがほとんどです・・・。
クラス
電波出力を規定したクラスという概念があります。が、ほとんど気にする必要はないです。大抵のデバイスはClass2(2.5mW 10m程度)で、たまにClass1(100mW 100m程度)のものがあります。
SCMS-T
Bluetoothにおけるコンテンツ保護方式の1つです。例えばワンセグ・フルセグの音声を伝送させるためには、双方の機器がSCMS-Tに対応している必要があります。
まあWikipediaを見ると全部書いてあるのですが(;´∀`)
Bluetoothオーディオの「コーデック」について
最近増えてきたBluetoothスピーカーでは、上に書いた「A2DP」で音声データを送ります。
Bluetoothの仕様上、CDの音声データ(44.1kHz/16bit/ステレオ)をそのまま送れるほど速度が出ないため、音声データは圧縮して送られます。
A2DPでは、SBC(SubBand Codec)というコーデック(圧縮形式)が必須サポートとなっています。しかし、このコーデックは小型のヘッドフォンなどのデバイスでも再生できるように処理負荷の低さを優先しており、規格上は512kbpsまで認められているものの、もっと圧縮している場合も多いようで、あまり評判が良くありません。
A2DPのオプションとして定められている、より高音質のコーデックとしては「AAC」と「apt-X」があります。(MP3やATRACも入ってるようですが、採用機器は見たことありません)
AAC
AppleのiTunesで購入できる音声がこの形式です。元ファイルがAACで、機器が双方ともにAACに対応していれば、全く劣化せずに送られる・・・そうですが、実際の挙動はよくわかってないようです。
apt-X
こちらはA2DPの規格には入っていませんが、採用機器が多いコーデックで、音質の良さに加えて遅延が少ない事も売りとされています。Androidでは搭載している端末が多いです。
とはいえ、仮にapt-Xに対応してたからといってその機器が音質が良いかというと、結局の所ハードウェアの作り次第なところもあります。
また、最近流行りの「ハイレゾ音源」を聞く場合、Bluetoothでは圧縮されてしまうので台無しです。ハイレゾ音源を聞く場合は今のところ有線接続必須です。
なぜこんな話をしたかというと・・・
ポータブルオーディオプレイヤーと組み合わせて使うBluetoothヘッドセットは、なかなか「これだ!」という製品がありませんでした。特に、
- ノイズキャンセル
- AAC/apt-X対応
- バッテリーが10時間くらい持つ
- 高音質なハードウェア
これらを全て備えているものはありませんでした。特にバッテリーは厳しくて、イヤホン部分にバッテリーを内蔵したものは取り回しが楽なのですが公称で4時間程度で、おそらく実使用では2,3時間なのでは無いかと思います。
しかし!!!
ついに全てを兼ね備えた製品が登場します。それがウォークマンM505です
これは上記4つを全て満たします。単体でも音楽再生できるのですが、Bluetoothでスマートフォンの音楽を聴くこともできます。
ハードウェアもフルデジタルアンプの「S-Master MX」を搭載しており、これはBluetoothでの再生時でも有効になります。
最近のウォークマンでは見られなくなった、スティック型のボディも良いです。
残念なのは、容量が16GBと最近のプレイヤーにしては小さいのと、表示が文字だけでアルバムアートが表示できないくらいです。
既に手元に届いているので、近いうちにレビューをお届けしようと思います。
それではみなさまよきガジェットライフを(´∀`)ノ