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猫と一緒にガジェットライフ♪ムチャ(@mutoj_rdm821)です。
うつ病と診断されてから4年以上経ちます。仕事ができなくて社会貢献ができていない自分にとっては、このブログで発信する情報だけが唯一の「他人に対してできる何か」です。
そこで今回は、うつ病患者に対するセーフティーネットをご紹介します。
特に、今体の不調を感じながらも金銭面の不安から仕事を続けている方に読んで欲しいです。
知らずに申請しなければこれらの制度を利用することはできません。今現在健康な方もご一読いただければと思います。
※以下の内容は自分の経験からうつ病についての記載になっていますが、他の精神疾患、怪我でも当てはまる物が多いです。確認してみてください。
※書いた人は専門家ではありません。より詳しくは各機関へ問い合わせてください。
※2014年10月24日時点の情報です。
※2017年10月6日 生活福祉資金貸付制度について追記。
自立支援医療制度
内容
うつ病などの精神疾患で病院にかかる際、医療費負担が3割から1割に軽減されます。
また、所得に応じて月額上限額が設定され、毎月その金額以上は負担無しになります。
自治体によっては低所得区分の方に対して助成制度があり、その場合窓口負担0円になります。
申請方法
- 各市区町村の役所にて申請書をもらって記載する。このとき受診する病院と薬局の医療機関コードが必要なので予め聞いておく(申請した機関以外では対象外です)。
- 診断書を医師に作成してもらう。
- 前年度の源泉徴収票など、所得状況が分かる書類を用意。
以上を揃えて役所にて申請する。
ポイント
自分が当時かかっていた病院ではこの制度のことをえてもらえず、休職が決まった時に会社から教えてもらいました。
特に期間的な制限はなさそうなので、うつ病と診断されたらすぐ申請した方が良いです。
傷病手当金
内容
病気や怪我などで仕事ができない状態になったとき、1年半を上限として一定額が支給される制度です。金額は、標準月額報酬の2/3です。
標準月額報酬についてはこちらを参照ください→都道府県別・標準報酬月額表
標準月額報酬についてはこちらを参照ください→都道府県別・標準報酬月額表
対象者はいわゆる社保に加入している方で、国民健康保険の方は基本対象外です(これは自治体によるようで、補助が出るところもあるとかないとか。詳しくは自治体の健康保険窓口に問い合わせてください。)。
申請対象は会社で加入している健康保険組合等になります(申請窓口は所属している会社になると思います)。
申請方法
会社から申請用紙をもらえるので、毎月自分で記載する欄と医者に記載してもらう欄をそれぞれ埋めて会社へ申請書を提出します。
ポイント
休職してもこの制度により収入は得られます(もちろん金額は少なくなりますが)。
また、受給中に退職になって被保険者の資格を喪失しても、そのまま期限までは受給できます。自分は1年間が休職の期限だったので退職になりましたが、その後半年間受給しました。
但し、同一の病気では2回目はもらえません。
障害者手帳
内容
交付されると、自治体によっていくつかの優遇が受けられます。東京都の場合は以下のような内容です。- 所得税、住民税の控除(次年度?より)
- 都営交通の無料利用
- 携帯料金の割引(ドコモ:ハーティー割引、au:スマイルハート割引、ソフトバンク:ハートフレンド割引)
- 都立施設の無料利用
- 都内路線バスの運賃割引
- 障害者雇用の対象となる
- などなど
2017/08/13追記。もう一つ、失業給付が延長されます。雇用保険加入日数が1年未満の場合は150日、それ以上の場合300日(45歳未満)になります。就職活動中であることが前提なので体調が戻ってきてからになりますが、メリットは大きいです。
申請方法
- 各市区町村の役所で申請書をもらい、記載する。
- 初診日から6ヶ月以上経ってからの診断書をもらう。
- 写真(4cm×3cm)
ポイント
便利そうで微妙に恩恵が少なかったりするのですが、企業が現在全体の1.8%以上雇用するように義務づけられている障害者枠での就職ができます。JRは割引にならないのが残念ですが、都バスや都営地下鉄は無料で乗ることができます。(東京メトロは対象外なので、都営浅草線、都営新宿線、都営大江戸線、都営三田線の4路線)
税金は今年度分は4月とかに決まってしまっているので、控除が受けられるのは次の年度からになります。(確定申告すればいける?)
病気が改善せず、それでもやむを得ず仕事をせざるを得ない場合、障害者雇用枠に入れるのは助かります。時短勤務や負荷のかからない仕事を考慮してもらえます。
障害者年金
内容
初診日から1年半経過後に障害の状態にある場合、申請が可能になります。
審査によって等級が決まり、障害基礎年金(国民年金が相当)では1または2級、障害厚生年金(厚生年金)では1~3級と認定された場合に一定額が支給されます。
支給要件
- 国民年金に加入している間に初診日があること
- 一定の障害の状態にあること
- 以下のどちらかの保険料納付要件を満たしていること
- 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の機関について保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
年金が未納だと要件を満たせません。養老年金はもう期待できませんが、きちんと払っておきましょう。
申請方法
- 年金事務所で年金請求書をもらって記載する
- 初診日から1年6ヶ月経過時点での診断書(または受診状況等証明書)と、現時点での診断書を用意する
- 戸籍抄本
- 病歴・就労状況等申立書(補足資料)
- 年金手帳
- 金融機関の通帳等
- 印鑑(認め印)
ポイント
うつ病の人がこれらを全て1人でやるのはまず不可能です。特に年金請求書は記載事項が多く、診断書も自分の状況をきちんと伝えられないと望むような内容のものを書いてもらえません。なので、これらを代行してくれる社会保険労務士(社労士)さんにお願いするのがよいと思います。
自分も社労士さんにお願いしました。もちろん費用は発生する(着手金+2ヶ月分の支給額が一般的)のですが、書類の記載自体も代行してもらったり、診断書を書いてもらうための補足資料をヒアリングして作ってくれたりととても助かりました。
「地域名 社労士 障害者年金」あたりで検索すると出てくると思うので、まずは相談して見てください。相談だけなら無料の所がほとんどと思います。
自分は以下の方にお願いしました。着手金0円なので助かりました。まだ結果は出ていません。(2017/10/06追記 ページ無くなってしまいました・・・)
ただし、認定は時間もかかる(支給開始まで半年くらい)上、審査も厳しくなっているようです。認定されたとしても障害厚生年金3級、もしくは一時金となってしまう事がほとんどのようです。
2級にだと基礎年金も対象になり額も増えますが、そもそも日常生活も補助が必要なレベルの状態でないと無理っぽくて、そんな人はこのような複雑な申請など絶対に不可能という矛盾も・・・。
書類での審査になるので、病状の変化や日常生活の状態が重要です。添付資料は認められているので、自分も社労士さんにヒアリングしてもらい、資料を作って提出しました。
ですので、病状や日常生活についてはできるだけ記録を残しておきましょう。
生活福祉資金貸付制度(2017/10/06追記)
各都道府県にある「社会福祉協議会」というところが行っている貸付制度です。
様々な種類があり、条件もそれぞれ異なります。
保証人ありなら無利子、無くても非常に低金利だったりします。
審査があって時間がかかるので、できるだけ早いうちに相談しに行きましょう。
自分が相談しに行ったとき、確か借金があると審査難しいようなことを言われたので、カードローンなどで借りる前にまずこちらへ。
生活保護
傷病手当金ももらい終え、障害年金も厚生年金3級では家賃くらいしかならないので、どうにもならなくなったらあとは生活保護があります。
ただし、昨今の不正受給の増加のせいか、受給はなかなか厳しくなっているように思います。
自分もうかつに相談に行ったところ、深い精神的ダメージを負ってしまいました。
もし相談に行かれる場合は、決して1人では行かず、まず法テラスで相談してみましょう。東京弁護士会によれば、生活保護の代理申請は費用はかからないそうです。
その他
退職した場合、離職票を役所へ持っていけば、国民年金、健康保険税の減免が受けられると思います。これはすぐに適用されるので、まず行ってみましょう。
また、雇用保険の受給資格は延長ができます。すぐに働けず、傷病手当金が残っている場合は、延長の手続きをしましょう。(※受給期間が延びるわけではありません。もらうのを遅らせるというだけです。)
手続き可能な期間が「働けない日数が30日以上になった翌日から1ヶ月以内」と特殊なので、離職票をもらって国民年金・健康保険税の手続きが終わったら、ハローワークへ相談しに行きましょう。まとめ:悪化する前に休養を
自分の場合、寛解する前に雇用保険までもらいきってしまったため、焦って復帰したところ見事に再燃して詰んでしまいました/(^o^)\
現在は障害者枠で就職活動をしています。
病気が悪化した分だけ、復帰にも時間がかかります。
休職するに当たって金銭面に不安があるとは思いますが、色々な制度が用意されているのであまり心配せずにまずは休んでください。「自分がいなくなったらマズい」と思われる方も多いかと思いますが、意外と代わりの人は見つかるものです。迷わず会社や、以下の相談窓口・機関に相談してみてください。
また、初診日以降、できるだけ病状を記録しておきましょう。必ず役に立ちます。それ以前の記録もあるとさらに良いです。
自分のような人が増えないことを願って。